大阪大学法科大学院受験記 その2
こんにちは。前回に続いて、阪大入試について書いていきます。
②民法
神大と同じように、改正法に基づいて出題するものの、改正前(現行)の条文で解答しても採点上不利に扱わないといういうもの。
問題は、大問2つ。第1問が設問2つで第2問が設問1つ。
第1問はそれぞれ独立しており、設問1が177条の対抗問題。設問2が債務不履行に基づく損害賠償額の基準時を説明させるもの。
第2問は、マンション一室の購入者が、隣接するマンションの建設によって日照不足等の不利益を被った場合に請求できる損害賠償の法的根拠を述べさせるもの。
第1問設問1は、神大とほぼ同じ問題でした。かぶっちゃった結婚
出題に苦労された形跡が窺えます。担保物権とか出してもいいのよ
設問2は、債務不履行時を基準時とするのは分かりましたが、説明をどうするか困った印象。
第2問は、二通りの法律構成を示せ、と問題文にあったので、一般不法行為と工作物責任でいきました。一般不法行為責任については、自衛隊員の判例(百選Ⅱ2事件)を参考にしつつ論証した覚えが。
➂商法・民事訴訟法
商法:大問2つ。第1問は設問1つ、第2問は設問2つ(独立)。
第1問は、違法な株主総会決議がなされた後、同内容の決議が再議決されたのだから違法な決議の取消訴訟は却下されるべきとの主張の当否を述べさせるもの。
第2問は、5行以内で述べさせる説明問題で、それぞれ
・非公開会社における新株発行無効の訴えの提起期間>公開会社によるそれ
の理由を述べさせるもの。
民事訴訟法:大問1つ。設問2つ。生前贈与が問題となった事例において、自白成立の有無(設問1)と自白の撤回の可否(設問2)を述べさせるもの。
商法の第1問は、まず前の決議の違法を主張するところから始めました。違法事由とそて挙げたのは、・退職慰労金の具体的な額を株主総会で決定していないこと ・そもそも招集通知が一部の株主になされていないこと です。
で、その後は、かかる瑕疵は同内容の決議がなされたとしても治癒されないとして結論としては不当としました。
第2問については、条文の趣旨→説明の形で流して終えました。
民訴は、問題文を見て思わず
となりました。上に書いた論点を書いて、事実に即してあてはめした程度です。
➂刑法・刑事訴訟法
刑法:論点としては、共謀共同正犯・共犯関係からの離脱・強盗致傷における強盗の機械の3つ?
刑事訴訟法:大問2つ。第1問が設問1つで、第2問が語句説明3つ。
第1問は、訴因・罰条変更の可否で、第2問はそれぞれ再逮捕・付審判請求・供述録取書。
刑法は、どこまで論証部分を短縮すべきか迷った記憶があります。問題としては、そこまで難しくなかった印象。
刑訴法の第2問ですが、「付審判請求って何だ?」とペンが止まりました。10点を落とすのは致命傷と思い(第2問の配点が30点なのでおそらく一語につき10点)、必死に条文を探しますが見つかりません。
と、そこで天啓が。
(確か市販の六法には巻末に事項索引があるはず)
わらにもすがる思いで、索引の「は」行を探すと、そこには付審判請求の字が!!
条文を引っ張ってきて、文章化して何とかまとめることができました。
「六法は試験内で参照できるカンニングペーパー」という某たける氏の言葉を実感した瞬間でした。
4 試験後
6:30に試験が終了したので、外が真っ暗でした。柴原口へは来た道を戻ればいいと思っていましたが、迷いました。
似たような建物が構内にたくさんあるからいけない
地方の受験生で、阪大に来るのは受験が初めての方は、帰りは他の受験生に着いていくことをお勧めします。
5 合格発表
発表前日はガチで緊張して、夜中に何度も起きるほどでしたが(この時はまだ神大の追加合格が知らされていなかった)、高等司法研究科のホームページで合格を確認しました。
親と指導教員、一番仲の良い友達(非ロー志望)に合格を報告しましたが、一番喜んでくれたのはずっとロー受験を応援してくれてた友達でした。M.T君に感謝。
阪大ロー受験記はこれで以上です。