ロースクールたより8月号(その①)
こんにちは。そして、お久しぶりです。昨日で期末試験が全て終了し、今日から夏休みに突入しました。
ぼく:「なんか静かですね。自習室には他の学生もいないし試験期間中とはえらい違いだ。」
ぼく:「ああ。他の連中は軒並み遊びに行ってるのかもな。」
ぼく:「まっ、そんなのもう関係ないですけどね!」
今日は前期(阪大ローでは春夏学期といいます)で履修した科目の総括(というか感想?)を書きたいと思います。
ーーーー
今回履修した科目は、必修科目8つと、選択必修科目2つです。結果として10科目全て期末試験を受けることになり、試験期間中はマジで死ぬかと思いました。
必修科目は、基本7科目+民亊実務基礎
選択科目は、税法と労働法です(司法試験では租税法を選択する予定)。
以下、〇教科書・使用する教材、〇授業の内容、〇受けてみた感想に分けて紹介します。
教科書は、事例問題から考える憲法です。
トピック・論点の網羅性では市販の演習教材に劣りますが、この教材の最大のポイントは、
・紛争当事者の憲法論を組み立てる力をつけることができる です。
設問はいずれも、「X(地方自治体Y)から憲法論についてアドバイスを求められたら、どのように助言すればよいだろうか。」となっています。今年・去年は少し異なりますが、本試験では第三者ではなく紛争当事者の一方から憲法論を構成する出題がなされるため、そのような意味で実践的な教材だとと思います。
また、テーマも「デモ行進のための集合場所の一時使用」や「文科省元局長の証人喚問」などリアリティのある素材が揃っています。
〇授業内容
事前に質問事項が記載された予習シートが配布され、それに対する回答を準備して授業に臨みます。また、質問の内一つ又は二つは事前にwordファイルにまとめ、印刷したものを授業後に提出しないといけません(たいてい、当事者の憲法上の主張をまとめる)。
質問事項は・判例の要約、・原告/被告/被告人の主張、・主張に対する反論です。この反論を考えるのがめんどくさい難しいです。
授業は、先生が予習シートに沿って質問をし、学生がそれに対して答える形で進行します。その上で、先生が補足説明を加える感じ。昨年度は学生が質問に対して黙っていたままで、先生がブチぎれたらしいです。今年度はクラス内の奮闘もあり、そのようなことはなかったです。
また、授業の冒頭に前回の授業時に提出した課題に対する講評と、優秀答案作成者の発表がありました。僕も何回か呼ばれたことがあります(3回に1回?)。
〇感想
予習は大変でしたが、論理構成の組み立て方を知ることができたので良かったと思います。
〇教科書
いずれもありません。問題・設問・質問事項が一緒になった資料が配布されます。
ただ、民法については大島本や要件事実マニュアル、判例プラクティスを適宜参照しつつ質問に答える必要があります。民法は1回の予習に2~3時間、下手すると4時間は普通にかかります。
〇授業内容
基本的には憲法と同じですが、民法については、予習事項以外についても質問されます。(訴訟物・法律要件・要件事実・判例知識)。後、民法刑法共通ですが、先生の追及が結構厳しいです。
民法と刑法については、司法試験の択一過去問を素材とした小テストがありました。
〇感想
民法は難しかったですが、「善意」の内容(消極的不知・積極的信頼)・基準時については全く考えたことが無かったので目から鱗となりました。
刑法も、故意や過失を具体的事実からどのように認定するか、どの行為を「横領」と認定するかといった事実認定の重要性を実感しました。なお期末試験には活かされなかった模様
〇教科書は、会社法事例演習教材です。
京大ローで使用している教材です。何で変に対抗する必要があるんですか
今学期は、競業利益相反取引・取締役の任務懈怠責任・会社分割などメジャーな問題を取り扱いました(後期(秋冬学期)もある)。
〇授業内容
事例に対するquestionに回答する形で授業が進みます。他の教科と異なり、詰まっても先生が誘導して下さるので安心。
さらに、ちょくちょく質問タイムを設けてくれます(実際に質問する学生は少ないですが)。授業後の質問にもしっかり対応。
こんなに学生に対して親身になってくれる教員が阪大ローにいただろうか、いやいたはずがない。
また、1単元が終了する毎に、2~3人のグループで単元の復習レポートを作成することになります(questionに対する答え、参考判例等を載せる)。試験はこの教材の問題から出題されるので、このレポートがそのまま試験用の復習教材になります。試験用の見直し教材まで提供するロースクール教員の鑑。
〇感想
個人的にはこの授業が一番好きでした。
〇教科書
ケースブック行政法を使います。またそれとは別に、レジュメが配布されます。
ケースブック行政法 <第6版> (弘文堂ケースブックシリーズ)
- 作者: 稲葉馨,下井康史,中原茂樹,野呂充
- 出版社/メーカー: 弘文堂
- 発売日: 2018/03/23
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログを見る
レジュメは分かりやすいです。取消訴訟における処分性の判断順序・具体的方法等試験にそのまま使える知識が載っています。
〇授業内容
今までの科目と同様なので、特筆すべき事項はありません。
〇感想
良くも悪くも、既存の知識の再確認を行う授業だったと(個人的に)思います。
ーーーー
10科目紹介する予定でしたが、普通に終わらないので残りは次回に回します。来週帰省するので、来週中に書きます。以上です。