ロースクールたより2月号➀
こんにちは。
水曜日に期末試験が終了し、長期休暇に突入しました。成績発表日である19日までは落ち着かない日々が続きますが、試験の重圧から解放されたので一安心です。
ロースクールによって虐げられていた人権を回復した pic.twitter.com/q2dBz14eNx
— 𝓾𝓷𝓴𝓷𝓸𝔀𝓷❸❾ (@unknown3913) 2020年2月5日
今は、司法試験の過去問を答案構成したり、伊藤塾のコンプリート答練を受講したりしています。自学の時間を持て余し気味ですが、計画的にこつこつこなしていきたいと思います。
来週からエクスターンで忙しくなるため、今月号は早めに更新することになりました。テーマは「後期の授業の総括」です。授業の様子・履修しての感想・期末試験についてつらつら書きます。今のうちにここで媚び売っておけば評価上がるやろ
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月曜日
・民事訴訟法応用2
担当教員が変わりましたが、使用した教材は前期と同じロースクール民訴でした。
〇授業の様子
事前に質問事項が書かれたレジュメが配布されて、質問の答えを準備し、授業中に回答するお馴染みのソクラテスメソッド()でした。
ただ、質問の量が多い。とにかく多い。
手を抜いても大体一回の予習に二時間かかるので、なかなかの負担でした。もっとも、去年までは授業を1~2時間平気で延長することを(教員が)想定しており、そのため質問事項が今年よりさらに多かったそうです。
また訴訟物や用語の意義に厳しく、質問事項でもそれらが細かく問われたり、小テストはひたすら語句の意義を書き取らせたりするものでした(小テストは爆死しました)。
〇感想
予習はキツかったのですが、教員の説明は分かりやすく(講義終了時刻が近づくと途端に説明が雑になることは多々ありましたが)、また民訴法では条文と同じくらい重視される用語の意義や趣旨について、学習する機会を設けることができたと思います。
〇期末試験
事例問題が2題。それなりに書けたと思います。
火曜日
・法曹倫理
弁護士倫理を弁護士の方が、裁判官倫理を元裁判官の方が、検察官倫理をmztn先生が担当。
教材はお手製のレジュメと、弁護士職務基本規程の本です。
後者は、なんと(本に書き込みをしない限り)試験場に自分の本を持ち込み可能。
各規程の趣旨や解釈を逐一暗記しなくてよいのは有難かったです(試験に持ち込めないロースクールもあるので)。
〇授業の様子
配布されるレジュメは、説明用のレジュメ・事例と問が記載されたレジュメ・その他資料(懲戒事例等)があります。問に対する答えを用意することになりますが、これは楽でした(やってない人も多かった印象)。
大変だったのは、授業前に提出する事前課題と、授業後に提出する講義ノートでした(いずれも平常点に加算)。
事前課題は、ある質問(Ex.本事例において、弁護士はどうするべきか。)の答えを200~300字で記述させるものです。質問は複数(多い時は4問!)あり、また法律基本科目と違い基本書の記述をコピペすれば足りるものではなかった(そもそも基本書が無い)ので唸りながら答えを書いていました。
講義ノートは、その日の授業の要点や疑問点、弁護士への質問事項を記述させるものです。一人一回担当しますが、担当週は毎週の事前課題とは別にこれを作成しないといけません。
教員曰く、「普段から文章を書くことで期末試験でも同じように論述できるようにするため」だそうです。お、おう・・・。
〇授業の感想
依頼者との利益相反関係、報酬の決定、営業宣伝活動、刑事弁護における心構えなど弁護士として依頼者を守るだけではなく、自分の身を守るための方法を授業で垣間見ることができたと思います。
実際、弁護士倫理が問題となる事例に(ネット上で)出くわしたこともありました。
法曹倫理は弁護士・検察官・裁判官にとって法律と同じくらい(ともすればそれよりも)重要なものなんだなあと実感。
〇期末試験
民事・刑事の事例問題が一題ずつと、弁護士法・職務基本規程の穴埋めが一題。
期末試験トップバッターでもあり、しっかりと準備をして臨みました。出来は良好。
・会社法応用2
担当教員・使用教材は変わらず。ただ、いくつか教員のオリジナル問題などを扱いました。
〇授業の様子
形式は前期と同じなので割愛。
前期は取締役の競業・利益相反取引や、取締役の第三者責任等メジャーな論点を多く扱いました。これに対し、後期は自己株式取得の制限、ストックオプションとしての新株予約権発行、会社再編における株式買取請求の「公正な価額」等どちらかというとマイナー論点を扱う講義が続きました。
教員の説明もより高度になりましたが、適宜質問の時間を取って下さったり、授業後にこちらが質問するとしっかり回答して下さったりと有難かったです。
やはりmto先生は神。
〇授業の感想
会社法は難しかったです。自己株式の取得等はこれまでスルーしていた箇所なので、試験で出題されても焦らずに対処できるよう復習しておきます。
〇期末試験
事例問題2題で、第1問が事例演習~からそのまま出題。会社法は平均が高いので、A貰えたらラッキーですね・・・
水曜日
・生命倫理と法
卒業要件として、ロー生は基礎法学科目を4単位分取る必要があります。3年生に、司法試験科目と関係ない授業を複数履修するのはキツイと思い、後期に何か取ろうと決めていました。
代理出産と親子関係の帰属、安楽死と違法性阻却といった医学が絡む法律上の論点に前から興味を持っていたので、「生命倫理と法」を履修することにしました。
〇授業の様子
その日の授業で、次回使用するレジュメと参考資料が配布され、またフィードバックコメントシート(FBCC)を事前に提出することになります(平常点に加算)。
参考資料は、新聞記事は勿論判例評釈、論文さらには本の一章を丸々コピーしたものなど量が滅茶苦茶多かったです。
FBCCは、その日の授業で理解した点や、次回のテーマについて意見を記述させるものです。FBCCは履修者全員で共有され、これに目を通した上で授業に臨むことになります。
とはいえ参考資料の全てに目を通す必要はなく、またFBCCも法律科目と違って自由に意見を書くことができたので、予習が他の科目を圧迫するということはありませんでした。
授業は、あるテーマについての講義と、教員と学生とのディスカッションを並列して行う形でした。テーマに関係するビデオを視聴する回もありました(ほとんどがNHKの特集)。
〇授業の感想
基礎法学科目でしたが、後期の中で一番楽しかったと思っています。
普段、条文指摘→問題提起→要件の解釈→あてはめ→結論的なことばっかりやってるので、こういった頭をフル回転させつつも、自由に意見を述べることができる授業があったのは大変貴重でした(実際、ディスカッションでは毎回発言していました)。
準備は大変ですが、個人的には是非履修してほしい科目です。
〇期末試験
レポート試験でした。作成するのに2日かかりましたが、筆記試験が一つ減るのは有難かったです。
・刑法応用2
担当教員は変わりませんでしたが、後期からは刑法事例演習教材を使用することになりました。司法試験受験生のバイブル的存在だそうですね。
〇授業の様子
前期と同じく、質問事項が記載されたレジュメが配布されました。が、質問のレベルが(取り扱う事例問題に対応して)グンと上がった気がします。
また、一昨年から司法試験で出題されている、ある罪責について異なる法律構成をそれぞれ論述させた上で私見を述べさせる問題(主張反論型問題)を意識した質問も出題されました。
期末試験もこの形式の問題が出題されたので、「プチ司法試験」と化していました。(なお、解答は間に合わんもよう)
〇授業の感想
予習がキツくなったくらいで特に無いのですが(←おい)、共犯の射程の論点など今まで意識していなかった論点を理解できたのは良かったと思います。
(直後に受講したコンプリート答練で、論点がそのまま出題されて儲けたのは内緒)
〇期末試験
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まだ3科目残ってますが、5000字超えそうなので残りは次回にします。
今月の下旬に更新予定です。