ロースクールたより5月号
こんにちは。もう五月が終わろうとしています。本当に時間が経つのが早い。
20日に予備試験の短答式試験があり、辰巳の自己採点を信じるならば何とか通過できそうです。残り2か月弱、論証を詰め込み答案を書きまくりたいと思います。
今回は、ロースクールの代名詞である、ソクラテスメソッドについて書きます。
(目次)
2 ソクラテスメソッドの要点
3 実際の授業風景
4 結局、ソクラテスメソッドってどうなのよ?
ーーーーー
まず、由来となったソクラテスさんについて軽く説明します。
詳しい説明についてはググってもらえばいいんですけど、ざっくり説明すると
・すごい哲学者
・ソフィスト(現代でいう有識者)たちを批判※諸説あり です。
で、そのソクラテスがソフィストたちを批判し、「ぐぬぬ・・」と言わせるために用いたのが、問答法という手法です。ソクラテス自身は問答法について記録を残していませんが、友人のクセノポン・弟子のプラトンがそれに類する記録を遺しています。
プラトンが遺した記録によると、問答法は次のように行われたそうです。
ソフィスト「ある命題(A)は正しい!」
ソクラテス「Aが正しいとすると、B、C若しくはDという結論になるけどいい?」
ソフィスト「ええで」
ソクラテス「Bをとると、A-(Aの否定命題)ということになるよね?
Cをとっても、A-になるし、DをとってもA-になるよ。」
ソフィスト「え?」
ソクラテス「そうすると、君が言ったAは誤りだよね。はい論破。」
こんな感じです。これが当初のソクラテス式問答法でしたが、後に
①相手に対して直接教えず、自ら悟らせる
②問題点を指摘し、自ら考えさせる
➂知識の限界の深い自覚へと導く の条件が揃えば、問答法としてよいという考え方が広まります。➂は意味がよく分かりませんが、①と②は後述するソクラテスメソッドに近いものがあります。
から引用・一部参照)
2 ソクラテスメソッドの要点
このソクラテス式問答法をベースに、教員と学生の一対一の問答によって行われるのがソクラテスメソッドということになります。アメリカのロースクールで作られ、後に日本の法科大学院にこれを模倣したものが導入されました。
(アメリカの真似してよかったことってありましたっけ・・・・・?)
ただ、本場のアメリカと、日本で僕たちが受けているものとでは内容が全く異なります。
アメリカは判例法主義を取っているので、判例の重要性は極めて高いです。ロースクールでは、学生が予習として数十ページ以上の長い判例文を読んだ上で教員が学生に対し事件の事実関係や結論を質問し、判例の理解を図るという形式を採っているとされています。
(以上、ソクラテスメソッドによるロースクールの授業 から引用)
その一方、日本では制定法主義を取っており、最高裁の判例も重要とされていますが条文<判例とは必ずしもなっていません。
法科大学院では、科目によって異なりますが概ね事例の問題を学生に回答させ、必要に応じて判例の趣旨・用語の意味を答えさせる形式を採っています。
阪大ローでは、回答する学生がマイクを持ち、交代の時にマイクを渡すことになっています。順番は主に席順ですが、縦に行ったり横に行ったり、ランダムに当たることもあります。
一回に当たる人の人数は、多くて20人(クラスの半分)、少なくて8人といった感じです。
3 実際の授業風景
大体こんな感じで授業が流れていきます。
ーーーー
教員「Aさん。~事件の事実関係と、裁判所の判断を説明してください。」
A「はい。○○という事件で、最高裁は□□□という理由で、合憲としました。」
教員「説明してもらった内容は概ね正しいです。この事件は~」
教員「それではBさん。この設問に関連しますが、○○の判例を知っていますか?」
B「(それは予習事項じゃないだろ!?)・・・・(無言)」
教員「誰か、分かる人?(少しイラっとした顔で)」
C「はい。それは○○という事件です。」
教員「そうですね。皆さん、判例知らないのは罪ですよ(謎の凄み)」
教員「○○という語の意味を知っているかな?」
D「・・・・(分からず、教科書のページをめくる)」
教員「ここ(授業中)で調べてたんじゃ遅いだろう(呆れ)」
ーーーー
こんな感じです。
4 結局、ソクラテスメソッドってどうなのよ?
結論としては、↓
聞かれていることに対して、的確に説明する能力くらいは身につくのではないでしょうか。
今回は以上です。そろそろ論文の対策します。(pm9:07)